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国内第II相試験1)

試験方法

国内第II相臨床試験1)
試験デザイン非対照、非盲検、多施設共同、第II相臨床試験
対象骨転移を有する症候性の去勢抵抗性前立腺癌患者
投与方法ゾーフィゴ55kBq/kgを4週毎に6回静脈内投与+標準的治療(BSoC)
評価項目主要評価項目:12週時の総ALPのベースラインからの変化率(検証的解析項目)
副次評価項目:総ALP・BAPの変化率・正常化率・奏効率、骨代謝マーカーの変化率、全生存期間(OS)
その他の評価項目:PSA変化率・PSA奏効率
解析計画
  • 主要評価項目は、LOCF法を用いて、12週時におけるベースラインからの総ALP変化率について95%信頼区間(95% CI)を算出した。95%CIの上限値が0を下回った場合、総ALP変化率について国外第Ⅲ相臨床試験(ALSYMPCA試験:海外データ)と本試験の結果の間に一貫性が示されるものとした。
  • 副次評価項目は、最終投与後4週時における総ALPの変化率(95% CIを含む)、12週時及び最終投与後4週時におけるBAPの変化率(95% CIを含む)、総ALP・BAPの正常化率・奏効率を算出した。また、総ALPと骨代謝マーカーについて、ベースラインからの変化率を記述統計的方法により要約した。
BSoC: Best Standard of Care. 施設毎の標準的治療を指す。局所の放射線照射、ステロイド剤、抗アンドロゲン剤(第一世代)、エストロゲン剤、ビスホスホネート製剤等 
BAP: Bone Specific Alkaline Phosphatse. 骨型アルカリホスファターゼ 
LOCF: Last Observation Carried Forward 
 
1)バイエル薬品社内資料[症候性去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国内第II相臨床試験]承認時評価資料

患者背景

年齢中央値は74歳であり、ECOG PS 0-1、EOD 2-3が多くを占めました。

 n=49
年齢、中央値(範囲)74歳(61-83)
ECOG PS,n(%)
0
1
2

34(69.4)
13(26.5)
2(4.1)
前立腺癌診断からの期間、
中央値(範囲)
203.29週(33.3-726.7)
骨転移の診断からの期間、
中央値(範囲)
122.29週(9.0-724.0)
 n=49
EOD(Extent of Disease), n(%)
1(骨転移巣6個未満)
2(骨転移巣6-20個)
3(骨転移巣20個 超)
4(スーパースキャン)

3(6.1)
19(38.8)
26(53.1)
1(2.0)
PSA(μg/L)中央値(範囲)73.3(5.5-2350.0)
総ALP(U/L)中央値(範囲)※JSCC法による316.0(82-5,150.0)
BAP(μg/L)中央値(範囲)22.50(5.1-651.0)

12週時の総ALP変化率

主要評価項目:12週時の総ALP変化率[検証的解析結果]

総ALPの12週時におけるベースラインからの変化率の平均値は-19.3%(95%CI:-28.0~-10.7)であり、95%CIの上限は、0を下回りました。
事前に定めた規準に基づき、総ALPについて国外第Ⅲ相臨床試験:ALSYMPCA試験(海外データ)と本試験の結果の間に一貫性が示されました。

 n平均SD中央値95%CI
12週時におけるベースラインからの変化率49-19.3%30.1-23.5%-28.0,-10.7
: LOCF(Last Observation Carried Forward)法を用いて算出した 
すなわち、12週時のデータが欠測の場合は、直前の測定値(Last Observation)を繰り越して(Carried Forward)欠測値を補完し、平均変化率を算出した

総ALP・BAPの変化率・正常化率・奏効率[副次的評価項目]
PSAの変化率・奏効率[その他の評価項目]

12週時の総ALPの平均変化率は-19.3%、総ALP奏効率(≧30%低下)は30.6%でした。
また、12週時のBAPの平均変化率は-29.4%、BAP奏効率(≧30%低下)は46.9%でした。

 12週時最終投与後
4週時
総ALP奏効率∗30.6%(15/49)22.4%(11/49)
BAP奏効率∗46.9%(23/49)30.6%(15/49)
PSA奏効率∗6.1%(3/49)8.2%(4/49)
: 30%以上の低下が4週間以上持続した患者の割合

総ALPの変化率の推移

総ALPのベースラインからの変化率(平均値±SD)は、12週時まで経時的に低下し続け(-20.8±30.4%)、16週時はほぼ同様で推移し(-19.9±32.2%)、20週時は-13.4±52.7%でした。

12週時の総ALP変化率

BAPの変化率の推移

BAPのベースラインからの変化率(平均値±SD)は、12週時まで経時的に低下し続け、総ALPと同様の推移を示しました。12週時(-31.2±33.0%)と16週時(-30.7±37.7%)はほぼ同様で、20週時は-23.2±66.9%でした。

12週時のALP変化率

安全性

安全性解析対象例49例中27例(55.1%)に副作用が認められました。グレード3以上の副作用は10例(20.4%)に認められました。
主な副作用(10%以上)は、貧血15例(30.6%)、リンパ球数減少12例(24.5%)、血小板数減少6例(12.2%)、下痢5例(10.2%)、悪心5例(10.2%)でした。

 

【ゾーフィゴにおける副作用による重篤例・中止例・死亡例】
重篤な副作用は3例が報告された(貧血、汎血球減少症、骨痛が各1例)。
副作用による投与中止例は貧血が2例報告された。

 

(詳細については、副作用集計(国内第II相試験における全副作用)参照)

副作用集計

国内第II相試験における全副作用

骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国内第II相試験では、49例中27例(55.1%)に副作用が認められました。主な副作用は、貧血15例(30.6%)、リンパ球数減少12例(24.5%)、血小板数減少6例(12.2%)、下痢5例(10.2%)、悪心5例(10.2%)等でした。(承認時)

副作用の概括

安全性解析例数49
副作用発現例数(%)27(55.1)
グレード3以上の副作用例数(%)10(20.4)
MedDRA Ver.17.0ゾーフィゴ(n=49)
器官別大分類/基本語全グレード n(%)グレード3 n(%)グレード4 n(%)グレード5 n(%)
全事象27(55.1)9(18.4)1(2.0)0
血液およびリンパ系障害16(32.7)6(12.2)00
貧血15(30.6)6(12.2)00
好中球減少症1(2.0)000
汎血球減少症1(2.0)1(2.0)00
胃腸障害10(20.4)000
腹部不快感1(2.0)000
便秘2(4.1)000
下痢5(10.2)000
悪心5(10.2)000
嘔吐1(2.0)000
一般・全身障害および投与部位の状態1(2.0)000
発熱1(2.0)000
感染症および寄生虫症1(2.0)000
帯状疱疹1(2.0)000
臨床検査15(30.6)6(12.2)1(2.0)0
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加1(2.0)000
好酸球数増加1(2.0)000
肝酵素異常1(2.0)000
リンパ球数減少12(24.5)5(10.2)1(2.0)0
好中球数減少1(2.0)000
血小板数減少6(12.2)1(2.0)00
白血球数減少4(8.2)000
代謝および栄養障害1(2.0)000
低リン酸血症1(2.0)000
筋骨格系および結合組織障害1(2.0)000
骨痛1(2.0)000

1)バイエル薬品社内資料[症候性去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国内第II相臨床試験]承認時評価資料