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副作用とその対策

骨髄抑制

骨髄抑制があらわれることがありますので、本剤投与前に必ず血液学的検査を行ってください。
前治療歴等から骨髄機能の予備能が低下している可能性がある場合は、特に注意してください。

国外第III相プラセボ対照臨床試験において、血小板減少症、好中球減少症、白血球減少症がプラセボ群よりも2%以上発現率の高い副作用として確認されています。
また、本剤の治療対象となる患者は貧血を発現しやすい背景(本剤群18.3%、プラセボ群17.3%)を持っていると考えられます。
本剤使用中は、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の投与延期又は中止など適切な処置を行ってください。

現時点において、骨髄抑制作用を有する抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立しておりません。
骨髄抑制が強くあらわれるおそれがあるので、骨髄抑制作用を有する抗悪性腫瘍剤と併用する場合はリスク・ベネフィット評価を行った上で、慎重に投与を判断ください。

発現状況

骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国外第III相臨床試験における発現状況(副作用)

MedDRAVer.11.0
基本語
全グレード グレード3以上
ゾーフィゴ
N=600
n(%)
プラセボ
N=301
n(%)
ゾーフィゴ
N=600
n(%)
プラセボ
N=301
n(%)
血液およびリンパ系障害
貧 血 110
(18.3)
52
(17.3)
49
(8.2)
17
(5.6)
血小板減少症 42
(7.0)
12
(4.0)
25
(4.2)
4
(1.3)
好中球減少症 23
(3.8)
1
(0.3)
8
(1.3)
1
(0.3)
白血球減少症 17
(2.8)
0
(0.0)
8
(1.3)
0
(0.0)
汎血球減少症 10
(1.7)
0
(0.0)
6
(1.0)
0
(0.0)
赤血球減少症 1
(0.2)
0
(0.0)
0
(0.0)
0
(0.0)
リンパ球減少症 1
(0.2)
1
(0.3)
0
(0.0)
1
(0.3)

骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国内第II相臨床試験における発現状況(副作用)

MedDRAVer.17.0
基本語
全グレードグレード3以上
ゾーフィゴ
N=49
n(%)
ゾーフィゴ
N=49
n(%)
血液およびリンパ系障害
貧 血15
(30.6)
6
(12.2)
好中球減少症1
(2.0)
0
(0.0)
汎血球減少症1
(2.0)
1
(2.0)
臨床検査
リンパ球数減少12
(24.5)
6
(12.2)
好中球数減少1
(2.0)
0
(0.0)
血小板数減少6
(12.2)
1
(2.0)
白血球数減少4
(8.2)
0
(0.0)

発現時期

国外第III相臨床試験において、好中球減少症や血小板減少症などの骨髄抑制は、グレード3に至った時期に特定の傾向は認められず、試験期間を通して報告されました。

(参考)
骨転移を有する癌患者(前立腺癌15例、乳癌10例)を対象とした国外第I相試験において、本剤46-250kBq/kg注)を単回投与した際、投与後2週から4週にかけて一過性の好中球数減少及び血小板数減少が確認されています。以下にそのデータを示します。(Nilsson S, et al., Clin Cancer Res. 2005 Jun 15;11(12):4451-4459)

ゾーフィゴ単回静脈内投与後の好中球数と血小板の推移

ゾーフィゴ単回静脈内投与後の好中球数と血小板の推移

注) 論文からの抜粋のため、米国立標準技術研究所(NIST)による標準見直し前の値のまま表記しています(見直し後は10.5%高い値となります)。 Zimmerman BE, et al., Revision of the NIST Standard for 223Ra. J. Res. Natl. Inst. Stand. Technol. 2015(120):37-57 承認時の用法・用量は当該試験とは異なっています(投与直前及び投与中の注意事項の用法・用量をご確認ください)。

症例概要

国内第II相試験において、汎血球減少症(グレード3)が1例確認されました。その概要を以下に示します。

患者背景
性別・年齢男性・70代原疾患前立腺癌
併存症下肢浮腫、骨痛、高血圧、尿閉、左水腎症全身化学療法歴ドセタキセル (本剤投与開始8ヵ月前から2ヵ月前まで)
併用薬デガレリクス酢酸塩、デキサメタゾン、フロセミド、シロドシン、べニジピン塩酸塩、テルミサルタン、ロキソプロフェンナトリウム水和物、
フェンタニルクエン酸塩、沈降炭酸カルシウム・コレカルシフェロール・炭酸マグネシウム、セフジトレン ピボキシル
症例概要

対処法

  • 前回の検査でグレード2以上の血球減少が認められている場合は、血液検査の頻度を(2回/月以上に)増加させるなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の投与延期又は中止など、適切な処置を行ってください。
  • 患者の状態によっては、G-CSF製剤の適切な使用や輸血などを考慮してください。
  • 発熱などの症状がみられた場合には、抗生物質の投与や来院させるなど、適切な処置を行ってください。

 

休薬・中止基準

好中球減少、血小板減少、貧血などの骨髄抑制があらわれた場合は、以下の基準に回復するまで投与を延期し、回復を確認してから投与を再開してください。処置を行ったにもかかわらず、前回投与後6週間以内に下記基準まで回復しない場合には、投与を中止してください。

2回目以降の投与直前に
確認すべき基準
好中球数≧1,000/μL
血小板数≧50,000/μL
ヘモグロビン≧8.0g/dL

その他の副作用

以下の副作用(骨髄抑制を除く)が本剤の製造販売承認取得時において特定されています。本剤使用中は、これらの副作用にもご注意いただき、必要に応じて適切な処置を行ってください。

  5%以上 1~5%未満 1%未満
精神神経系   浮動性めまい、嗜眠、頭痛  
消化器 悪心、下痢、嘔吐、食欲減退 便秘、腹痛 上腹部痛
呼吸器   呼吸困難 咳嗽
肝臓     AST(GOT)上昇、γ-GTP上昇
筋・骨格系 骨痛 関節痛 筋骨格痛
その他 疲労 発熱、体重減少、無力症、味覚異常、末梢性浮腫、脱水 全身健康状態低下、倦怠感、尿路感染、注射部位反応、悪寒

∗ 注射部位の疼痛、発疹、腫脹など

注意事項

■消化器障害

本剤による消化器障害として、悪心、下痢、嘔吐が確認されています。本剤の主要排泄経路は糞中排泄です。本剤の投与後、腸内に放射性物質が存在することがありますので、これらの消化器症状に注意し、異常が認められた場合は直ちに適切な処置を行うよう指導してください。
(参照:患者・家族(介護者)に対する注意事項

■血管外漏出

血管外漏出が疑われた時には、投与途中であれば直ちに投与を中断、抜針し、再度静脈ラインを確保した後に残りの量を投与してください。投与後に疑われた場合には、吸収を促進して局所への滞留を防ぐために、腕を挙上し局所を加温してください。また、本剤が血管外へ漏出した場合には、注射部位反応として、疼痛、発疹、腫脹などの発生が懸念されます。異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行ってください。

なお、血管外漏出が大量に起こった場合には、必要に応じて他の静注用放射性医薬品で用いられる次のような対処法をご検討ください。

  • ただちに注射を中断し、漏洩部位にマーキングを行う。
  • 直後に漏洩部を含めた撮像を行い、漏洩放射能を推定する。
  • 必要に応じ、経時的に局所残留放射能を測定し、クリアランスを求める。
  • 腕を挙上し局所を加温するなどにより、拡散・吸収を促す。
  • 経過観察を行う。

■その他

本剤を用いた治療期間中に副作用等が発現し、他科にて処置(特に外科的処置)が行われる場合は、当該患者に放射性医薬品が投与されていることを、紹介先の診療科に知らせてください。紹介先(外科医など)は必要に応じて、各施設における放射線防護に関する遵守事項に基づいた処置を行うこととなります。

発現のおそれのある副作用

本剤の副作用として特定されていませんが、本剤が放射性医薬品であることを考慮すると、以下のような副作用が発現する可能性が考えられます。本剤による治療終了後も定期的に検査を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行ってください。

晩期骨髄毒性

骨への放射線曝露により、骨髄の線維化や低細胞化(細胞密度の低下)を来すことがありえるため、遅発性の骨髄毒性が見られる可能性が考えられます。

関連する副作用として、国外第III相臨床試験において、本剤群に1例の再生不良性貧血(本剤の最終投与から約1年後に発現)が報告されています(0.2%;1例/600例)。なお、当該被験者は、本剤投与前に放射線治療及び化学療法の前治療歴を有していました。

骨髄異形成症候群及び急性骨髄性白血病

放射線曝露により骨髄中の造血幹細胞が遺伝子異常を来し、骨髄異形成症候群あるいは急性骨髄性白血病を引き起こす可能性が考えられます。

現時点においては、国内外で行われた臨床試験(国外第III相臨床試験を含む)において、骨髄異形成症候群及び急性骨髄性白血病は報告されていません。

骨肉腫

放射線は発癌性を有するとされており、本剤の骨部に集積する性質を考慮すると、骨肉腫のリスクが増加する可能性が考えられます。

現時点においては、国内外で行われた臨床試験(国外第III相臨床試験を含む)において、骨肉腫は報告されていません。

その他の二次発癌(骨肉腫、骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病以外)

放射線曝露により遺伝子変異を引き起こし、二次発癌を引き起こす可能性が考えられます。

現時点においては、国内外で行われた臨床試験(国外第III相臨床試験を含む)において、本剤との因果関係を否定できない二次発癌は報告されていません。