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適正使用ガイド

Q6 エンザルタミドとの併用治療は可能か?

エンザルタミドとゾーフィゴとの併用治療時における有効性と安全性に関し、ランダム化比較試験により確立されたエビデンスは現時点においてありません。個々の患者において想定されるベネフィットとリスクを十分考慮の上、適切にご判断ください。
十分な考慮の上、併用治療を選択される場合には、骨修飾薬の併用等による骨折の予防をご検討ください。

【解説】

エンザルタミドとゾーフィゴとの併用治療時の有効性及び安全性に関して、検証的試験1,2の結果が得られていないため、エビデンスは確立されていません。


現在、エンザルタミドとゾーフィゴの併用治療時の有効性及び安全性を検討する医師主導のランダム化比較非盲検海外第Ⅲ相試験(EORTC-1333-GUCG試験、目標症例数560例)が進行中です2

  • 本試験は、2018年4月に実施計画書が改訂され、本剤初回投与の少なくとも6週間前から骨修飾薬(BMA)を併用することが必須となりました。2
  • その後、独立データモニタリング委員会による第4回安全性評価時データ(2019年5月20日時点、160例)に基づき、BMA併用有無別の骨折の発現状況が報告されました(表1)2。BMA非併用患者では、エンザルタミド単剤群と比較して併用群で骨折の累積発現率が高い傾向が認められましたが、BMAを併用することにより、1年時点の骨折の累積発現率は両群ともに0に抑制されました。
表1. EORTC-1333-GUCG試験におけるBMA併用有無別の骨折の累積発現率(2019年5月20日時点)2
 骨折の累積発現率(95%CI),%
BMA併用BMA非併用
時点エンザルタミド+ゾーフィゴ
(n=39)
エンザルタミド
(n=49)
エンザルタミド+ゾーフィゴ
(n=37)
エンザルタミド
(n=35)
3ヵ月0 ( - )0 ( - )0 ( - )5.7 (1.0-16.7)
6ヵ月0 ( - )0 ( - )5.6 (1.0-16.3)8.8 (2.2-21.0)
9ヵ月0 ( - )0 ( - )22.6 (10.6-37.3)8.8 (2.2-21.0)
12ヵ月0 ( - )0 ( - )37.4 (21.8-53.1)12.4 (3.9-26.2)
15ヵ月0 ( - )0 ( - )43.6 (26.8-59.3)16.6 (5.9-32.0)
18ヵ月0 ( - )0 ( - )43.6 (26.8-59.3)16.6 (5.9-32.0)

* 27ヵ月目に骨折が1例発現した
結果の解釈においては、症例数が限定的、観察期間が短い、事前に規定された中間解析および部分集団解析ではない、集団間で患者背景や観察期間に偏りが存在する可能性、試験は現在も進行中で確定的なデータではない点などに留意が必要です。


参考までに、エンザルタミドとゾーフィゴの併用治療について、小規模な海外第Ⅱa相試験3や海外研究者主導臨床試験(NCT021991974,5、NCT022257046,7)の結果が報告されています。結果の解釈においては症例数が限定的、観察期間が短いなどの考慮が必要です。

  1. 骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)患者を対象にゾーフィゴ単剤治療(19例)、ゾーフィゴとエンザルタミドの併用治療(22例)、ゾーフィゴとアビラテロン酢酸エステル(以下、アビラテロン)の併用治療(22例)の安全性及び有効性を検討したランダム化非盲検海外第Ⅱa相試験において、重篤な有害事象の発現率は、ゾーフィゴ単剤群(10.5%)と比較して、エンザルタミド併用群(31.8%)またはアビラテロン併用群(31.8%)で高い傾向にありましたが、全体的に3群いずれにおいても忍容性は良好で、これまでに確認されているゾーフィゴの安全性プロファイルを逸脱する内容は認められませんでした3
  2. 症候性CRPC患者を対象にエンザルタミドとの併用治療における安全性及び有効性を検討した研究者主導ランダム化比較非盲検海外臨床試験(49例、NCT02199197)において、エンザルタミドとゾーフィゴの併用群(35例)でのグレード3の血球減少症の発現率(白血球減少症:8.6%、好中球減少症:8.6%、血小板減少症:2.9%)は、これまでに確認されているゾーフィゴ単剤治療時の成績と同程度でした。併用群とエンザルタミド単剤群(14例)における重篤な有害事象や有害事象に大きな違いはなく、いずれの群においても骨折は認められませんでした4,5

国内使用成績調査(PMS)aの中間解析(95例)では、少数例で観察期間が短いなど解釈に注意を要するものの、現時点において新たな安全性の懸念を示唆するようなデータは得られていません8,9
95例のうちエンザルタミドを併用bしていた症例は10例(10.5%)でした8,9。2019年5月31日時点において、この10例での骨折の報告は得られていません。

a : 患者登録期間:2016年6月~2017年11月
b : ゾーフィゴの投与開始から投与終了までの間のいずれかの期間で併用している場合


CRPC  :  castration resistant prostate cancer

PMS    :  post marketing surveillance